さてさて。昨日で公立高校の一般入学試験も終了しました。進路進学業務担当なので一安心です。そして再来週の3月15日は卒業式。来週からは準備や練習など、普通に授業をしている時とはまた別な忙しさになります。
卒業制作として階段の踊り場に掲示する階数表示板を作ることにしたようですが、担任も生徒も製法というか作り方についてはなかなか思いつかない模様。
そこで学年の技術顧問(?)の私が条件として、
①10数人の卒業生全員で取りかかることができる。
②1人ずつが自分の責任で製作することができる。
③各々が作ったものを組み合わせて、共同製作として1つにできる。
と言うことを考えて提案しました。卒業制作ですから、一定程度の質を保って、短期間で仕上げることができ、なお且つ全員が同じくらいの作業ができるやり方が大事だと思います。
具体的には、20×20×10mmの木製のブロックを1人あたり縦横で9×9、81個を接着して一文字分のパネルを作り、それを4つ組み合わせて1つの階数表示板にするというもの。できあがりは縦横360mmになります。黒い文字の部分はブロックを抜きます。階数表示板自体は4つ必要です。下図参照。昔のエレベーターの表示風ですね。
そうすると、ブロックが大量に必要になります。実数は81×4×4、1296個。予備も考えると1300ちょいになります。加工済みの木製ブロックなんて高くて買えません。探してみましたが、安くても30000円程度にはなります。
まあ、そもそも買うつもりはなく、20×20mmの角材を10mm厚で輪切りにするつもりでした。それだと材料費は4000円程度ですみます。因みに接着剤は未使用の速乾木工用ボンドが倉庫から大量に発見されたのでそれを使用。ですから、こちらは特別なお金はかかりません。
問題はどうやって切るかです。ある程度正確に大量にとなると手引きの鋸じゃとてもやってられません。技術室にバンドソーがあることは知っていたので、それで切っちゃえばOKじゃんか、とお気楽に考えていたのですが……。
動くかどうか確認してみると、ネジがなくっていてブレードのガイドが固定できなかったり、そもそもそのブレードが舐めていたり欠けていたりして使える状態じゃありませんでした。ちゃんと整備しておけよ、担当者。それじゃあ丸のこ盤でもないかなと思い、学校中探してみましたがそれもなし。もう学年末なので予算がなく、3000円以上する替えブレードは購入できないし、そもそも頼んでも間に合わない……。
材料は買ってしまったのでなんとかするしかありません。隣の学校に聞いてみたらバンドソーはあるのですが、据え置き型の大型機。ちょっと借りるって訳にはいかないシロモノです。「こっちで作業してもいいよ」とおっしゃってくれたのですが、さすがにそれも悪いし行き来も大変……。
こうなったら切断用の何かを作るしかない!
そこで、手元にあったジグソーで作業できるような治具を作りました。
……ご覧になっていただければおおよその構造はおわかりいただけるかと(^_^;
「20mmの角材を厚み10mmに切ることしかできない切断機」の
爆誕であります。
…ホントにこれにしか使えません。
ただ、作ってみたら単能の治具は結構有効です。作業スピードは自体は多分バンドソーより少し速くてや丸のこ盤には劣る程度です。しかし、治具の中で部材をガッチリ保持できるようにしてあるので、ブロックの仕上がりの正確さはどちらにも勝てますよ。
まずは昨日の放課後に2時間ぐらい作業して500個以上のブロックを作ることができました。月曜日に行う最初の作業分ぐらいはこれで十分です。残りは多分あと3時間も作業をしたらできるので、暇を見つけて作ります。
まだ仕上げ(塗装、オイルステン、研磨のみ等々)の段取りを考えていませんがその辺は時間との相談になると思います。とりあえず電動サンダーは準備しておきましょう。
ホント、本務じゃないところでもよく働くなあ、俺。……というか、コウイウことの方が楽しいのでずっとやっていたかったりする。早く退職してドウデモいい工作とか模型作りとかに専念したいしたい(・∀・)
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- 2022/03/05(土) 09:21:14|
- 工作
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| コメント:2
どこの地域も卒業式の季節ですね。
卒業記念を作るのも一苦労ですね。最近はほとんどやらなくなってしまいました。
こういう仕事が本当に好きなんですね。そういう方がいてくれると職場はどれくらい助かるか…。
できない理由は泉のように湧いてくるのに、アイディアやできる方法を考える人間が少ない。
考えれば楽しいと思うのですが。
それにしてもいろいろな工具をお持ちですね。
この時期は無事卒業、そして全員合格を祈るばかりです。
- URL |
- 2022/03/05(土) 22:45:34 |
- dago777 #9TBgrDMo
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現場で見ていても、できない理由をつける、やろうとしてもやり方を知らない(というか知ろうとしない)というパターンが多くて……。
卒業記念制作については個人的には取り組む必要はないと思っていますが、担任が生徒と具体的な見通がないままに話を進めてしまい、そのケツをもつのは副担の私、という状態です。最初は彫刻刀で板を彫刻して文字を起こしてそれに色を塗るとか言っていました。どう考えても記念品レベルのまともなものができる気がしません。しかも6時間くらいしかない時間の中で全員が責任と自覚をもって作業できるわけでもなく、肯定的には途中で何もすることがない生徒が出るのはハッキリしていて、極めつけは彫刻刀を生徒は持っていないという……。これじゃあできるものもできゃあしません(・ω・)イイカゲンニシロ。
生徒を何のためにどう動かすかのかという視点が弱いのでこんなことになります。素直に最初からこちらに丸投げしてくれればいいのですが、プライドもあってそれはできないのでしょうねぇ。
ちょっと愚痴りました。
あとは全員合格を祈るだけですが、実は他県の受験者が1人いて、その手続きと結果はまだもうちょっと先です。それが終われば一安心なのですけどね。
- URL |
- 2022/03/05(土) 23:40:42 |
- Spitfire.Mk24 #-
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